10年前の世界時価総額トップ10に投資していたらどうなっていたのか

どうもメーカー営業マン(@makereigyouman)です。

今回は「時価総額」に着目して過去パフォーマンスがどうなっていたのかを調べてみました。

内容はタイトルにもあるとおり、10年前の世界時価総額トップ10に投資していたら今頃どうなっていたのか、です。

さて早速見ていきましょう。

2011年 世界時価総額ランキングトップ10

まず最初に2011年時点の世界時価総額ランキングトップ10を見てみます。
まるまる10年分のデータを見たいため、2011-2021を参照します。

  1. エクソン・モービル(XOM)     4,063億ドル
  2. アップル(AAPL)          3,764億ドル
  3. ペトロチャイナ(PTR)        2,766億ドル
  4. ロイヤル・ダッチ・シェル(SHEL) 2,362億ドル
  5. 中国工商銀行(IDCBY)       2,280億ドル
  6. マイクロソフト(MSFT)      2,184億ドル
  7. IBM(IBM)             2,167億ドル
  8. シェブロン(CVX)          2,119億ドル
  9. アルファベット(GOOGL)     2,092億ドル
  10. ウォルマート(WMT)       2,047億ドル

現在とかなり様変わりしていますね。
当時の1位はエクソン・モービルで、4位にシェル、8位にシェブロンが入っており、エネルギー銘柄が台頭していた時代でした。

また中国工商銀行が5位に入っており、2009年~2011年頃の中国経済拡大を象徴しています。

時価総額ランキングを見てみると、その時代の国力がはっきりと見て取れますので面白いものがあります。

2022年 世界時価総額ランキングトップ10

ちなみに2022年現在の時価総額ランキングは以下の通り。

  1. アップル(AAPL)          2兆6,902億ドル
  2. サウジアラムコ(TADAWUL:2222) 2兆4,800億ドル
  3. マイクロソフト(MSFT)      2兆2,288億ドル
  4. アマゾン・ドット・コム(AMZN)   1兆5,650億ドル
  5. アルファベット(GOOG)        8,491億ドル
  6. テスラ(TSLA)             8,370億ドル
  7. バークシャー・ハサウェイ(BRK)    7,139億ドル
  8. エヌビディア(NVDA)         6,039億ドル
  9. 台湾積体電路制造(TSM)        5,768億ドル
  10. メタ・プラットフォームズ(META)    4,860億ドル

こちらも同様にその時代の背景を表していますね。
コロナバブルを追い風にハイテク企業の時価総額が大きく増加した近年となっています。

直近の原油高を受けてサウジアラビア国営の石油会社サウジアラムコの時価総額も増加しました。

また株式市場に大きな資金が流入していることが分かります。金融緩和の影響は大きいですね。

2011年の時価総額トップ10に投資していたら

さて本題に入りましょう。

この時価総額に着目して、10年前の2011年の台頭していた企業に投資していたらどうなっていたのでしょうか。

いつも通りBacktest Portfolioを用いてシミュレーションしてみました。

尚、配分はいち企業に10%ずつ、つまり1~10位の10の企業にすべて均等に投資したとします。

 

結果は以下の通りでした。尚、配当は再投資しています。

トータルリターン 年率 標準偏差
時価総額トップ10(2011年) 339.7% 11.76% 0.82

出所:Portfolio Visualizer

約3.4倍にまで増加しており悪くはない印象です。仮に100万円投資していたら約340万円になっていた訳ですからね。

S&P500インデックスと比較

S&P500指数と比較してみるとなんと大きく負けていることが分かりました。

トータルリターン 年率 標準偏差
時価総額トップ10(2011年) 339.7% 11.76% 0.82
S&P500 465.1% 15.00% 1.08

出所:Portfolio Visualizer

トータルリターンでは120%以上の差となり、年率3%以上の差が生じました。

これは大きな差です。100万円の投資で10年後には100万円以上の差が付くということですからね。

指数に負けた要因

指数に負けた要因としては恐らく”リバランス”が挙げられると思います。

S&P500指数は2011年~現在まで組み入れ銘柄が変わっていますから、それが大きくパフォーマンスに影響したのではないかと思います。

先程のポートフォリオは2011年時点のトップ10企業に投資しただけで、その後はリバランスしていませんからね。ただリバランスしていたらどうなっていたのでしょうか。気になりますね。こちらはまた別途記事にしたいと思います。

 

先に挙げた通り、時価総額ランキングはその年によって変動します。単にその時点のトップ10企業に投資するだけであると指数に大きく負けてしまうのです。

過去のテストでもそうですがこれは未来においても言えることではないでしょうか。つまり、現時点のトップ10企業に投資していても、10年後、20年後にはどうなっているか分からないということです。

 

一方で、S&P500指数に含まれる銘柄は一定の基準により採用されたり、逆に除外されたりと常々変動しています。(採用基準についてはこちらの記事をご参照ください。)

これがどういうことかと言うと、自動でリバランスしてくれているということです。
リバランスという言葉が合っているかどうかは分かりませんが、投資銘柄を時代の流れに合わせて変更してくれる、というような意味合いです。

 

S&P500やNYダウ平均といった指数は、銘柄を入れ替える際、株価が低調な銘柄を除外し、代わりに株価が好調な銘柄を採用する傾向にあります。

そうすることによって、見かけの株価を上昇させてきたのです。

S&P500が長年に渡って高パフォーマンスを維持できた背景として、こうした理由があるのです。

S&P500長期チャート 出所:Google Finance

未来は誰にも分からない

これはもちろんのことですが、未来は誰にも分かりません。

今をときめくアップルが10年後、20年後にどうなっているのでしょうか。もちろん現在を支配する企業が未来を支配できる可能性は高いでしょう。

ただ何が起こるかは分かりませんからね。

 

結局のところこの記事では何が言いたいのかというと、米国企業の8割をカバーし、未来のGAFAMをもカバーしているであろうS&P500指数への投資が一番の近道であり楽なルートなのではないか、ということです。

素直にS&P500に投資するのがいいかもしれませんね。

 

※投資は自己責任でお願いします。

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