オプティマイズRx【OPRX】SaaSのデジタル医療プラットフォーム(銘柄分析)
どうもメーカー営業マン(@makereigyouman)です。
今回は個人的に気になる米国企業「オプティマイズRx(ティッカー:OPRX)」について取り上げてみたいと思います。
目次
【OPRX】デジタル医療プラットフォームのオプティマイズRx
基本情報
社名 | オプティマイズRx (英文社名:OptimizeRx Corp) |
概要 | オプティマイズRxは米国の医療ビジネスサービス企業。主に、医療業界におけるテクノロジー・ソリューションを提供する。同社製品やアプリケーションには、医師やスタッフが患者のために医薬品サンプルや割引券を探すことができるシステム、薬局ネットワークの検索、臨床メッセージサービスなどを含む。本社所在地はミシガン州ロチェスター。 |
本社所在地 | 400 Water Street Suite 200 Rochester, MI 48307 USA |
設立年月日 | 2006年 |
従業員数 | 71人(2021年8月時点) |
業種 | 工業 |
上場市場 | NYSE(ティッカー:OPRX) |
上場年月日 | N/A |
時価総額 | $1,040M(約1,130億円)2021年8月18日時点 |
参照元:Yahoo! Finance
オプティマイズRxは一言で言えば、患者個々の電子医療記録(EHR)を収集・解析することで、その後の治療方針の助言等を行うことが出来る医療プラットフォームを運営する企業です。
デジタル医療プラットフォームと言えば、米テラドッグ(TDOG)、日本企業ではメディカル・データ・ビジョン(東1:3902)、JMDC(M:4483)が同業他社として存在します。
オプティマイズRxの医療プラットフォーム
出所:OptimizeRx Corp Corporate Presentation
同社は患者のベッドのすぐ側で診療を行うPoint-of-care(ポイント・オブ・ケア)に焦点を当てたプラットフォームを運営しています。
医師・患者・製薬会社をリンクさせることで、一つのプラットフォームから医療情報を得ることができます。
出所:OptimizeRx Corp Corporate Presentation
オプティマイズRxのプラットフォームは患者個人の電子医療記録(EHR)と統合されており、更に米国の60%以上の医療提供者を網羅しています。
これにより収集したビッグデータから医療AIを用いて解析することで、適切なタイミングで適切な医療情報を医師や患者に配信することができます。
出所:OptimizeRx Corp Corporate Presentation
オプティマイズRxの医療プラットフォームは米国の医師の60%、被保険患者の66%をカバーしています。
製薬会社はアッヴィやグラクソ・スミスクライン、アストラゼネカ、イーライリリー、アムジェン、メルクなど有名企業と多く提携。
メドテックにはDexcom、メドトロニック、プロバイダーには米国最大の医療保険企業EmblemHealthなどが参列します。
医療情報の収集・解析は参入障壁が高いビジネス
医療情報、特に電子医療記録は究極の個人情報と言っても過言ではありません。
その電子医療記録を取り扱える企業は限られており、参入障壁が高いビジネスと言っていいでしょう。
高い参入障壁から優れた収益モデルを構築しています。
出所:OptimizeRx Corp Corporate Presentation
2020年は売上・利益ともに過去最高を記録しています。
売上高は前年比+123%、粗利益は前年比+92%となっています。
参入障壁の高いストックビジネスに加えて、近年は高い成長率となっています。これもCOVID-19が追い風となっていると思われます。
出所:OptimizeRx Corp Corporate Presentation
オンライン診療は世界中で急拡大
オプティマイズRxの業績が好調な背景として、世界中で急拡大しているオンライン診療サービスがあります。
オンライン診療にはMobie Health(モバイルヘルス)やVirtual Care(バーチャルケア)など各国で種々呼び方はありますが、こうしたサービスを総じてオンライン診療と呼びます。
日本では「医師が患者と対面せずに行う診療行為」をオンライン診療と厚生労働省が定義づけしています。
出所:シード・プランニング
医療コストの増大は世界的問題となっています。そこでITを活用して効率化且つ安価にサービスを提供できるようにするオンライン診療サービスが急拡大しています。
オンライン診療市場は年々増加することが見込めれており、2030年には300億円規模になることが予測されています。
オプティマイズRxはオンライン診療こそしていないものの、患者・医師・企業をオンライン上で結びつける役割を果たしています。
オプティマイズRx(OPRX)業績
売上高・粗利益率
出所:バフェットコード
- 2019.12:売上 $24M 粗利益率 64.8%
- 2020.12:売上 $43M 粗利益率 55.7%
2020年12月期の売上高は2019年比で2倍以上増加しています。
粗利益率は50%を超えており、高い収益モデルであることが分かります。
営業利益・純利益
出所:バフェットコード
- 2019.12:営利 ▲$3.6M 純利 ▲$3.1M
- 2020.12:営利 ▲$2.1M 純利 ▲$2.2M
利益は赤字となっています。売上高は増加しているものの、赤字体質は脱却できていません。
とはいえ2020年12月期は赤字幅が縮小していますので、今後は黒字化に期待できると思われます。
EPS・BPS
出所:バフェットコード
- 2019.12:EPS ▲$0.23 BPS $3.07
- 2020.12:EPS ▲$0.15 BPS $3.28
EPS(1株当たりの純利益)は赤字ですからもちろんマイナスです。
一方でBPS(1株当たりの純資産)は増加していますね。本来、赤字であればBPSは減少しますが、それ以上に株価(企業価値)が上がっているため、上昇しているものと思われます。
自己資本比率
非常に高い自己資本比率を維持しています。
基本的に自己資本比率が40%以上あれば会社は潰れないと言われていますから、80%以上維持しているOPRXはまず潰れないと考えて問題なさそうです。
株価推移
オプティマイズRx(OPRX)チャート 出所:finviz
上場後から素晴らしいチャートを描いています。
50日移動平均線(MA50)を切ることなく上昇してきています。直近は調整に入っている感じがします。
まとめ・所感
- OPRXは患者・医師・企業を結びつけるプラットフォームを運営。
- 電子医療記録、ビッグデータから解析して適切な医療情報を提供する。
- 遠隔医療サービスの市場規模は拡大傾向にあり。
OPRXは小型株であり、時価総額は1,000億円程度と比較的小さな銘柄です。
代表的な企業のテラドッグの時価総額は3兆円を超えています。また日系企業のエムスリーは5.47兆円、同業のJMDCは2,800億円ですから、それらと比較すると伸びしろはまだまだあるのではないかと考えています。
また、もしかするとどこかの企業に吸収合併される可能性も秘めていると考えています。
時代の流れに乗っていますから、個人的には今後期待できる企業だと思っています。
※投資は自己責任でお願いします。
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