S&P500採用基準から探る組入銘柄候補
どうもメーカー営業マン(@makereigyouman)です。
今回は私も毎月積み立てているS&P500指数について書いていきたいと思います。
S&P500指数の採用基準はどのようなものなのか、またその基準から組入銘柄候補について調べていきます。
目次
そもそもS&P500とは?
そもそもS&P500とは一体なんでしょうか?
なんとなく分かってるけど、厳密には知らない、って人も多いかと思います。
改めてS&P500について簡単に復習してみたいと思います。
S&P500は、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出している米国の代表的な株価指数のこと。
NYSE,NASDAQに上場している銘柄から代表的な500社の株価を元に算出。
時価総額をベースに、工業株400種、運輸株20種、公共株40種、金融株40種の各指数で構成されている。
S&P500指数は1923年から日々公表されていて、古くから存在するアメリカの代表的な指数となっています。
米国市場の約80%をカバーする指数と言われており、米国株全体のほとんどに投資できる指数と言っても過言ではありません。
S&P500採用基準について
さて、このような米国を代表する株価指数の採用基準は一体どのようなものなのでしょうか。
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスによると以下の条件が明記されています。
- 本社が米国にあること(米国企業であること)
- 時価総額が131億ドル(約1兆3,800億円)以上であること
- 4四半期連続で黒字であること
- 浮動株比率が50%以上であること
本社が米国にあること(米国企業であること)
S&P500指数は米国の指数ですので、もちろん米国企業のみが採用されます。
登記上の本社が米国以外でもオペレーション本部(活動拠点)が米国であれば採用されます。
時価総額が131億ドル(約1兆3,800億円)以上であること
S&P500指数への採用基準の一つとして、時価総額の下限値があります。
これまでは118億ドル以上でしたが、2021年6月3日に時価総額の下限値が引き上げられることが発表されました。現在の下限値131億ドル以上となっています。
現在、S&P500に採用されている銘柄の内40社は時価総額が110億ドルを下回っていますが、指数から除外される訳ではありません。あくまでも新規採用の基準値が引き上げられただけです。
大半の企業がこの時価総額の条件でアウトになります。かなり厳しい条件であることが分かると思います。
ちなみにこの基準を超える日本株は109社しかありませんでした。(2021年6月20日時点)
ぎりぎりアイシン精機【7259】が約1.39兆円でクリアしていました。
超巨大企業のみが選ばれる、まさにエリート指数であることが分かると思います。
4四半期連続で黒字であること
4四半期ですから、1年間通年での黒字達成が基準となります。
更に連続ですから通年で黒字であっても、例えば第二四半期が赤字であったら採用基準から外れてしまうという訳です。
こちらもかなり厳しい基準であると思います。
浮動株比率が50%以上であること
浮動株とは市場に流通する株式のことです。
浮動株の逆は固定株であり、例えば親会社の持株や、社長の持株等、市場に流通しにくい株式のことを呼びます。
発行済株式の内、市場に出回っている比率を浮動株比率といいます。
大雑把に例えると、親会社50%、市場流通株50%であれば、浮動株比率50%となる訳です。
浮動株比率が高いほど市場に出回っている株式が多いわけですから、流動性が高くなります。
昨今の組入銘柄・除外銘柄
2021年3月12日にS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスがS&P500の銘柄入れ替えを発表しています。
その結果、新たに以下4銘柄が採用されています。
- ペン・ナショナル・ゲーミング(NASDAQ:PENN)・・・カジノ・競馬場運営大手
- シーザーズ・エンターテインメント(NASDAQ:CZR)・・・カジノホテルチェーン大手
- NXPセミコンダクターズ(NASDAQ:NXPI)・・・半導体大手
- ジェネラック・ホールディングス(NYSE:GNRC)・・・発電設備大手
いずれの銘柄も直近のパフォーマンスは素晴らしいものとなっています。
業績・株価ともに好調で、指数に採用されたことで更に株価が上昇しています。
新規で採用された銘柄がある一方で、除外された銘柄も存在します。
- ゼロックス・ホールディングス(NTSE:XRX)・・・印刷機器大手
- フローサーブ(NYSE:FLS)・・・産業・環境用機械大手
- グリーン・リアルティ(NYSE:SLG)・・・不動産投資信託会社
- フォンティエ(VNT)・・・輸送関連ソリューションプロバイダ
除外された銘柄はどの銘柄もコロナショック後から立ち直れていない傾向にあります。
S&P500やNYダウ平均といった指数は、銘柄を入れ替える際、株価が低調な銘柄を除外し、代わりに株価が好調な銘柄を採用する傾向にあるそうです。
そうすることによって、見かけの株価を上昇させることができるのです。
S&P500が長年に渡って高パフォーマンスを維持できた背景として、こうした理由があるのです。
S&P500長期チャート 出所:Google Finance
S&P500 組入銘柄候補(2021年)
このようにしてS&P500指数といった代表的指数に組み入れられるというのは、有力企業というステータスにとどまらず、投資資金の流入に追い風という利点があります。
もちろん株価の側面からも追い風となります。
仮に採用される銘柄を予想できていれば、高いパフォーマンスを得ることが可能であると思います。
ここで採用の候補となる銘柄をいくつかピックアップしていきたいと思います。
ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(NASDAQ:ZM)
ZM リアルタイムチャート 出所:finviz
言わずとしれたズームです。コロナショックから大きく株価を伸ばしました。
現在の時価総額は約1,100億ドルと余裕で基準値をクリアしており、四半期別に見ても安定した利益を稼いでいています。
ナスダック100指数に採用されており、S&P500指数に採用される日も近いのではないかと思います。
フェア・アイザック(NYSE:FICO)
FICO リアルタイムチャート 出所:finviz
フェア・アイザックはクレジットスコアの提供や、予測分析ソフトウェアを提供しているIT企業です。
米国の融資判断の90%超で使われる信用スコア「FICOスコア」を提供しています。
売上高・利益共に年々増加しており、利益の大半は自社株買いに充てる財務優良企業でもあります。
株価を見てもらえれば分かる通り、直近5年で株価は5倍以上にまで上昇しています。
現在の時価総額は約144億ドルですから、時価総額の基準値はクリアしています。ただ、市場に流通している株式数が少ないのが懸念点として挙げられます。
スクエア(NYSE:SQ)
SQリアルタイムチャート 出所:finviz
スクエアは、決済システムを運営するフィンテック企業です。
コロナ禍でスマホ決済が大きく普及したことにより業績を伸ばしました。また、ビットコインの決済システムが試験的に開始されたことが報道され、注目された企業でもあります。
時価総額は1,000億ドルを超えており、市場に流通している株式数も十分です。
ただ、業績面は四半期別で見ると赤字を計上している期もあり、S&P500採用基準を満たしていないのが現状です。
したがって、採用されるにはもう少し時間が掛かることが予想されます。
条件を満たしたからといって採用されるとは限らない
S&P500は主要業種の主要企業をカバーすることを目指しています。
米国株式市場内の主要産業を特定し、時価総額の観点から各産業の相対ウェイトを概算した上で、各産業内の代表的な銘柄サンプルをS&P500に配分していますから、条件を満たしたからといって採用されるとは限らないのです。
こうした背景がありますから、候補銘柄を事前に予想するのは相当至難の業と言えます。仮に見つけられたとしても既に織り込み済みのことがほとんどでしょう。
そうであれば、素直にS&P500を買った方が一番の近道かもしれません。
※投資は自己責任でお願いします。
Enjoy!! your investment Life!!
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