【考察】原油はオワコンなのか?

2020年9月12日

どうもメーカー営業マン(@makereigyouman)です。

コロナショックによる需要不安から原油価格は暴落、更に需要不安が再燃し昨今の原油価格は下落に転じています。

原油は過去の産物であり、もうオワコンなのでしょうか。
(厳密には、原油はコンテンツではないので語弊がありますがご容赦ください。)

今回は、今後原油はどうなっていくのか、私の考察も含めて記事にしたいと思います。

原油について

まずはさらっと原油について復習していきます。

原油(げんゆ)は油田から採掘したままの状態で、精製されていない石油をいう。

採掘後、ガス、水分、異物などを大まかに除去したものが原油である。黒くて粘り気のある液体であり、様々な分子量の炭化水素の混合物が主成分である。

引用元:Wikipedia

最近やたらと寄付をゴリ押ししてくるウィキペディアから引用してきました。

原油は精製されると、ガソリンや灯油等の石油製品へ生まれ変わります。

いわばエネルギーの大本になる資源ですね。

原油

原油の精製

常圧蒸留装置のしくみ 出所:石油情報センター

採取された原油は蒸留装置で蒸留されます。

自動車や船舶・航空機などの燃料として使われる、LPガスやガソリン、軽油、ジェット燃料、重油などに精製されます。

ガソリンに近い部分で蒸留されたナフサはプラスチックや繊維製品などの原料として使われます。

プラスチックの原料として使用される部分はごく一部なんですね。

残油はアスファルトになりますので、結構捨てる部分がない資源です。

原油の用途

原油の用途についてもう少し掘り下げてみます。

原油の最終的な用途は非常に様々です。

  • LPガス・・・コンロやタクシー、トラックの燃料
  • ガソリン・・・自動車の燃料
  • ジェット燃料・・・航空機の燃料
  • 重油・・・火力発電所、船舶の燃料
  • ナフサ・・・プラスチック製品
  • 残油・・・アスファルトなど

一口で原油といっても様々な用途・燃料となります。

自動車や航空機の燃料もそうですが、プラスチック製品には必ずといっていいほど、原油が原料となっています。

また、タイヤなどの合成ゴム製品も原料は原油です。

私たちの身の回りには石油製品で溢れており、原油(石油)の中で暮らしているといっても過言ではないと思います。

原油(石油)の用途別割合

出所:東京ガス

上グラフは原油(石油)の用途別消費量の割合です。

約42%が自動車向けとなっており、航空機向けはわずか2.6%に過ぎないんですね。
もう少し割合は高いと思っていましたので正直驚きました。

その他に、約24%がプラスチック製品向けで、電力向けには約5%の割合のようです。

原油のおよそ半分程度が自動車向けに消費されていることが分かります。

 

今回のコロナショック時には航空機向け需要の減少、外出制限による自動車向け需要の減少懸念により原油価格は暴落したという訳ですね。

世界のエネルギー消費量

出所:国際エネルギー動向 経済産業省

上グラフは世界のエネルギー消費量の推移を表したものです。

石油のみならず、全てのエネルギー消費の総量を表しています。

欧州や北米などの先進国は横ばいか若干増加程度の消費量となっていますが、アジア太平州(主に中国やインド)が牽引して、全体の消費量は増加しています。

今後も世界人口の増加とともに、エネルギー消費量は増加していくと考えれています。

エネルギー源別消費量推移

出所:国際エネルギー動向 経済産業省

さてそのうち、原油(石油)が占める割はどのくらいなのでしょうか。

エネルギー消費量の内、石油は約3分の1を占めています。
まだまだ石油は最大のエネルギー源と言えそうです。

ただし、今後最も伸びていくのは再生可能エネルギーと予想されています。
2015年~2030年の間で2倍から3.4倍程度まで増加が見込まれているようです。

原油(石油)は2015年~2030年での増加は7%に過ぎないと予想されている一方で、米国EIA(米国エネルギー情報局)は29%増との予測があったりします。

この辺は各機関で予測のばらつきがあるようですね。

石油消費の今後

出所:国際エネルギー動向 経済産業省

今後も中国やインドなどの経済発展が著しい国を筆頭に石油の消費量は増加していくと考えれています。

一方で、OECD加盟国(先進国)の消費量は自動車燃費改善や原油価格高騰を背景に2005年頃から減少に転じています。

今後も先進国の消費量は電気自動車の普及により減少していくだろうと思います。

原油はオワコンなのか?

果たして、原油はオワコンなのでしょうか?

  • 原油の消費量は先進国で減少傾向、発展途上国では増加傾向
  • 原油が消費量は自動車向けが4割
  • 電気自動車普及の可能性
  • 今後の再生可能エネルギーの台頭

以上の情報を考慮すると、原油は中長期的にはまだまだ利用される資源であると考えます。

 

一方で、超長期的には過去の産物となりえるかもしれません。

今後、電気自動車の普及や、新エネルギー源の台頭、更にはESGの広まりにより、大気を汚染するエネルギー源は廃れていく可能性は高いと思います。

次の新しいエネルギー革命が起これば、原油の消費量は低下していくことが予想できます。

核融合発電など、新しい電力開発も進んでいますしね。
(核融合発電の実用化は2050年前後と言われている。)

 

とはいえ、まだまだそれは先の話です。

原油は中長期的には今後も使われ続ける資源であることは間違いないと思います。

2050年頃までは世界人口の上昇に伴い、エネルギー消費量の増加、石油消費量の増加が見込まれています。

石油需要の逼迫により、石油価格はじわりと上昇する予測もあります。

出所:2050年までの世界エネルギー需給展望 電力中央研究所

石油メジャーは我慢のときか

今後の原油需要回復に向けて、石油メジャーは我慢のときが続くでしょう。

原油価格回復までいかに持ちこたえるかが鍵となると思います。

予想価格
2020年 30ドル(実績
2021年 40ドル
2022年 50ドル
2023年以降 60ドル

※北海ブレントの原油価格見通し

原油価格は2023年以降には1バレル60ドルまで回復することが見込まれています。

原油価格の下落に伴い、エクソン・モービルなどの石油メジャーの株価は大暴落しています。

もしかすると今でこそ投資するべきタイミングなのかもしれません。

 

とはいえ、結局のところ価格は需要と供給で決定します。

原油価格についてはOPECの減産協定など、政治的部分も含まれるので正直分かりませんね。

今後も減産せずに、原油価格はだだ下がり・・・なんて未来もあるかもしれません。

 

※投資は自己責任でお願いします。

Enjoy!! your investment Life!!

 

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