飯田グループHD、ロシア企業に600億円投資で株価暴落

どうもメーカー営業マン(@makereigyouman)です。

以前投資した戸建分譲住宅を展開する飯田グループホールディングス(東証プライム:3291)がロシア企業への投資でまさかまさかの大暴落を喫しました。

2022年5月13日に2022年3月期の決算発表が行われた訳ですが、約600億円投じたロシアの木材企業がウクライナ侵攻によるリスクとして大きな波乱を呼んでいます。

株価は前日比で8%超下落、年初来安値更新となりました。

出所:Yahoo!ファイナンス

以下、改めて内容について解説していきます。

飯田グループホールディングス 2022年3月期決算

まずは決算内容について簡単に紐解いていきます。

総括としては22年3月期の決算はまずまずだっと思います。
ただし来期の見通しが悪かったこと、またロシア企業の特損リスクが顕著になったことで売られたものと予想します。

22年3月期 決算概要

最初に22年3月期の決算概要を見ていきます。
飯田グループの決算資料から抜粋した下のスライドをご覧ください。

出所:飯田グループホールディングス 2022年3月期 決算説明資料

  • 売上収益(売上高):1,388,991百万円(YoY ▲4.8%)
  • 売上総利益(粗利):295,933百万円(YoY 21.3%)
  • 営業利益     :153,306百万円(YoY 11.1%)
  • 当期利益     :103,3811百万円(YoY 7.5%)

売上高は前年比で減少したものの、利益は増加となりました。
主力の戸建て分譲における売価上昇と土地原価の低下などが寄与し、利益増加となりました。

セグメント別売上高

セグメント別売上高ではご覧の通り9割程度が戸建分譲となっています。

作成:筆者

この大部分を占める戸建分譲事業の利益率が改善したこと、平均価格が上昇したこと、土地原価が減少したことで利益の増加に繋がりました。

ウッドショックで資材価格が一棟当り43万円の上昇となりましたが、それ以上に販売価格が131万円の上昇、更にこれに加えて土地原価が68万円減少したことで利益率の改善となったようです。

出所:飯田グループホールディングス 2022年3月期 決算説明資料

その他にマンション事業や請負工事等もありますが、割合が低いため割愛します。

キャッシュフロー概況

出所:飯田グループホールディングス 2022年3月期 決算説明資料

営業活動によるキャッシュフローは前年比で減少となりましたが、財務活動で借入金の増加及び社債償還による支出の減少により、全体としては現金及び現金同等物の残高は僅かながら増加となりました。

来期の見通し

株価の下落要因となったのはロシア企業への投資もありますが、来期の見通しが芳しくないこともあると思われます。

下のスライドをご覧ください。

出所:飯田グループホールディングス 2022年3月期 決算説明資料

23年3月期の見通しでは売上高の増加は見込むものの、最終的な利益では8.7%減の950億円の予想となっています。

無論、この減益予想も売られた要因の一つであると思われますが、やはりそれ以上にロシア企業のリスクが大きかったですね。

ロシア事業の影響

飯田グループホールディングスは2022年1月にロシアの木材企業大手、ロシアフォレストプロダクツ(Russia Forest Products)社を約600億円で買収しています。

これはウッドショック懸念による木材価格高騰を懸念してのことです。
ただしこれがロシアのウクライナ侵攻によって大きく裏目に出たという訳です。

 

懸念としてはロシアからの材木輸入の制限とロシア企業の操業停止リスクが挙げられます。

 

決算資料では以下のように述べられています。

  • 当社とRFP(Russia Forest Products)社の取引実績は約20億円程度(前年)であり、輸出入制限の影響は極めて限定的。
  • RFP社における日本向け販売構成比は約10%程度であり、輸出入制限の影響は限定的。
  • 国際的な木材価格の上昇は、収益的にプラス効果が見込まれる。
  • RFP社は2022年3月期第4四半期からB/Sが連結対象となり、2023年3月期第1四半期からP/Lが連結となる。

出所:飯田グループホールディングス 2022年3月期 決算説明資料

輸出入制限に関しては影響は限定的と捉えて良さそうです。

ただし、一番大きなリスクとしてはRFP社の操業停止リスクであると思われます。

最悪はRFP社への投資がポシャってしまい、数百億円規模の特別損失となる可能性を孕んでいます。

今期の利益が約1,000億円ですから、600億円の特別損失はかなり大きいですよね。
もっとも、600億円まるまるが特損にはならないと思いますが。

とはいえ、この特損計上により大幅下方修正となり、株主還元(配当)にも影響が出る可能性があると考えて良いと思います。

 

これらのリスクにより飯田グループの株は投げ売りとなった模様です。

 

正直こればかりは運が悪かったとしか言えませんね…。
いずれにせよ、今の飯田グループへの投資はリスクが高いことには変わりません。

触らぬ神に祟りなし、ホルダーは今後の行方を静観していきましょう。

 

ちなみには私は昨年末に2,571円で購入しており爆損中です(泣)

 

※投資は自己責任でお願いいたします。

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