【RIDE】ローズタウン・モーターズ、CEO・CFO辞任で大暴落

2021年6月15日

どうもメーカー営業マン(@makereigyouman)です。

新興EVメーカーの米ローズタウン・モーターズ【RIDE】のCEOとCFOが同時に辞任するというニュースが飛び込んできました。

 

この発表を受けて同社の株価は大幅下落。市場後は-18%以上の大暴落となりました。

以下、内容について簡単に紐解いていきます。

CEOのSteve BurnsとCFOのJulio Rodriguezが辞任

おなじみの顔スティーブ・バーンズ(写真左)とフリオ・ロドリゲス(写真右)出所:同社HP

ローズタウン・モーターズが2021年6月14日に公開したニュースリリースによると、最高経営責任者(CEO)のスティーブ・バーンズと最高財務責任者(CFO)のフリオ・ロドリゲスが辞任すると公表されています。

 

理由は明らかにされていませんが、同日にヒンデンブルクリサーチのショートレポートに対しての回答を発表しています。

これによると、受注に対して不正確な発表を行っていたとの事実が明らかにされており、2人が辞任した理由は恐らくがこれによるものと思われます。

ショートレポートの回答については後述します。

尚、ショートレポートについて詳しくはこちらの記事をご参照ください。(記事:【RIDE】虚偽注文の可能性で株価暴落。車もホルダーも大炎上

 

CEOが不在の間は同社取締役のアンジェラ・ストランド氏を会長に置くようです。

Angela Strand 出所:Linked in

 

ちなみに、この件についてジム・クレイマーは「Good news」とツイートしていました。

まあ確かにいろいろと使えないCEOでしたので、グッドニュースかもしれません。

ショートレポートに対する特別調査委員会の報告

2021年3月に投資調査会社ヒンデンブルクリサーチによるショートレポートが提出された訳ですが、今回その内容に対して特別委員会による調査結果が報告されています。 ※ショートレポートについて詳しくはこちらの記事をご参照ください。

以下その内容を簡単にまとめます。

ショートレポートに対する調査報告

1, 2021年9月の生産開始について

ショートレポートではこれに対してこう述べられています。

「寒冷時試験、耐久性試験、連邦自動車安全規格(FMVSS)試験など、必要な試験や検証を完了していない、またバッテリーパックの製造能力の欠如、ハブモーターの信頼性の疑義があるため、生産に以降するには3~4年掛かる。」

特別委員会の回答
  • さまざまな要因により生産開始が遅れる可能性があるものの、2021年9月の生産開始予定は2022年第1四半期の顧客への納品を期待して達成可能である。
  • 2021年中に必要な規制、耐久性、および連邦自動車安全基準(「FMVSS」)のテストを開始し、それを完了する予定。
  • 2022年第1四半期に顧客へ納品するためテストを開始している。
  • ハブモーターの自動生産ラインが今後数ヶ月に渡って設置される予定。一部は手動でハブモーターを生産する。
  • 2021-2022年に予想されるハブモーターの生産量を補うのに十分な生産能力であることに期待している。

2, ハブモーター技術の疑義について

ヒンデンブルクリサーチによると、ハブモーターはばね下荷重により、耐久性に問題があり車載には向いていないと述べていました。

※サスペンションのバネを境にして下についており、振動の影響を受けやすい。

特別委員会の回答
  • スロベニアのモーターメーカーElapheからライセンス供与されているハブモーターであれば車載向けに実現可能である。
  • エンデュアランスは、サスペンションの調整、車両構造の強化、重いトラックシャーシの利用など、ハブモーターに起因するバネ下重量に対処するように設計されている。

3, トラック火災について

特別委員会の回答
  • 火災の原因はプロトタイプ向けに手作業で製作されたバッテリーパックによるもの。
  • テストドライブ中にドライバーは予想されるテストパラメーターを超えて加速した。急速な加速の結果として手作業で作られたバッテリーパックに電流の過負荷が発生し発火した。
  • 現在のバッテリーパック製造プロセスにはこのような問題がないように対処している。

4, 予約注文について

同社はEVトラックのニーズをアピールするため10万件の予約注文を発表していたが、注文のほとんどが架空のものであり、拘束力の無い予約注文であるとレポートでは述べられていました。

特別委員会の回答
  • RIDEは予約注文には拘束力が無いことを繰り返し開示していた。予約注文が正式な注文にはならないことを強調していた。
  • 予約注文の多くは戦略的パートナーから取得したもの。そのパートナーは実際にエンデュアランスを購入するつもりはなく、他の顧客から注文を確保しようとしていた。(要は本物の注文を得るため架空の注文を計上していた。)
  • RIDEはフリートカスタマーまたはその他のエンドユーザーから数万件の予約注文を取得している。この注文は2022年の予定生産量のほぼ全てに匹敵する。

 

以上がショートレポートに対する調査報告となっています。

なんか全体的に言い訳がましいような気もしなくはないですが、予約注文についてはやはり架空のものだったみたいですね。

RIDEの近況

  • 第1四半期の決算は収益ゼロ。1億2500万ドル(約136億円)の純損失を計上。
  • 電動ピックアップトラック生産を2021年中に開始するが、その生産量は「せいぜい事前予想の50%程度」(事前予想2万台)
  • 資金不足で期待する数の車両を製造できない可能性がある。そのため資金調達を検討中。

とりあえず今回の辞任騒動とショートレポートに対する調査報告で膿は出きったんじゃないでしょうか。

あとは資金不足を解消するための資金調達ですかね・・・。これができれば一時的に株価は上昇していくものと考えています。

 

いずれにせよ、やはりSPAC銘柄は大変リスキーな投資だと思い知らされました。

こうしたスタートアップ企業が成功すれば投資資金は何倍にも膨れ上がるのでしょうが、このような投資は丁半博打、一か八かにギャンブルのような投資(投機)であることは重々頭に叩き込んでおくべきでしょう。

 

※投資は自己責任でお願いします。

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