【米国超高配当ETF】QYLDへの投資について考える

2021年7月24日

どうもメーカー営業マン(@makereigyouman)です。

最近「QYLD」というETFをよく目にします。

どうやら配当利回り10%以上の超高配当ETFのようですが、今回はQYLDについて少し紐解いていき、個人的な投資判断を述べていきたいと思います。

グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF【QYLD】

まずは基本情報について見ていきます。

基本情報

名称 グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF
ファンド概要 カバード・コールの売りで利益を生み出そうとするもので、ナスダック100指数の株式を購入し、対応する同一指数のコール・オプションを売却します。
ティッカー QYLD
上場市場 NASDAQ
ファンド設定日 2013年12月11日
純資産額 約7,000億円(2021年7月24日時点)
経費率 0.60%
分配利回り 12.37%(2022年1月18日時点)
取扱ネット証券(主要のみ掲載) SBI証券、楽天証券、マネックス証券

参照元:グローバルX

ファンド概要にもありますが、QYLDはカバード・コールの売りで利益を生み出すというちょっと特殊なファンドとなっています。

ナスダック100指数の株式を購入し、対応する同一指数のコール・オプションを売却します。」とありますが、これじゃあちょっとよく分からないので、QYLDの仕組みについて以下簡単に説明していきます。

QYLDの仕組み

QYLDについてポイントをまとめると以下の通り。

  • カバード・コールの売りで利益を生み出す=「NASDAQ100指数の買い」と「コール・オプションの売り」への投資
  • NASDAQ100の株価上昇を放棄する対価として、インカムゲイン(プレミアムオプション)を得る

では”カバード・コール”や”コール・オプション”とは一体なんなのでしょうか。

カバード・コールとは

「有価証券の買い」と「コール・オプションの売り」を同時に行うオプション取引の投資手法。

株などの有価証券の価格が変動しないと予想される時に行い、有価証券の価格上昇の収益が限定される分、オプション・プレミアムを獲得しインカムゲインを増やすことが可能。

投資信託の中には、カバード・コールを運用上の戦略として組み入れているタイプも設定されており、その投資対象は株式や不動産投資信託(REIT)、通貨など幅広い。また同タイプは、為替取引のプレミアム(為替取引国間の短期金利差相当)の上乗せを狙う通貨選択型と組み合わされる場合も多い。

引用元:野村證券

カバード・コールとはオプション取引の一つです。

原資産(有価証券・通貨など)を保有しつつ、コール・オプションを売るオプション取引のことを言います。保有する原資産の値上がり益を得ることが出来ない対価として、オプションプレミアムを受け取ることができます。
※オプションプレミアム=資産を買うまたは売る権利に対してつけられる価値のこと。

オプションプレミアムを得ることができる一方で、原資産の価格上昇による利益は権利行使価格までに限定されるというデメリットがあります。

コール・オプションとは

特定の原資産について、一定の期日(期間内)に、あらかじめ決められた数量を、あらかじめ決められた価格で、「買う権利」のこと。

コールオプションの買い手はオプション料と引き換えにオプションの権利を得ることができます。売り手はオプション料を受け取る代わりに買い手が権利行使した場合に応じる義務が発生します。

引用元:大和証券

コール・オプションをざっくり言うと、”一定の価格で買う権利”のことです。

先に述べたカバード・コールではこのコール・オプションを売っていますので、一定の価格で買う権利を売却しているということになります。

 

QYLDの仕組みを超ざっくり図にすると以下のような感じでしょうか。(間違っていたらすみません。)

このような仕組みのため、ナスダック100のボラティリティ(価格変動)が高ければ高い利回りを生むのがQYLDの特徴です。

株価推移

finviz dynamic chart for  QYLD

出所:finviz

長期で見ると価格を切り下げているように見えます。ただ変動は大きくなく、25~20ドル台で推移しています。

QYLD組入上位10銘柄(2022年1月18日時点)

組入上位10銘柄はナスダック100指数と同じですね。

ティッカー 比率(%)
AAPL 11.96%
MSFT 9.75%
AMZN 6.95%
FB 4.83%
TSLA 4.42%
NVDA 3.90%
GOOG 3.72%
GOOGL 3.52%
CSCO 1.78%
ADBE 1.72%

過去リターン(2021年12月31日時点)

設定来では年率約9%のリターンを叩き出しています。そこそこ悪くはない印象です。

年率リターン(%)
1年 10.42%
3年 13.75%
5年 11.19%
設定来 9.18%

過去リターン比較 VS QQQ(2021年12月31日時点)

QYLD 年率リターン(%) QQQ 年率リターン(%) 
1年 10.42% 27.42% 
3年 13.75% 38.06% 
5年 11.19% 28.38% 
設定来 9.18% 22.90% 

出所:Backtest Portfolio

QYLD同様にナスダック100に投資するQQQと比較してみました。

ご覧の通り、QQQが圧倒的高いパフォーマンスを出していることが分かります。

まとめ

以下、QYLDについてまとめてみると以下のような感じです。

  • QYLDは長期的なナスダック100の上昇を放棄し、コール・オプションの売却で安定した収益を見込むETF
  • 株価上昇は見込めない一方で、高い配当利回り且つ毎月分配が見込める
  • オプション取引(カバード・コール戦略)を行うETFに投資ができる
  • 配当込過去リターンはそこそこ高いが、QQQに大きくアンダーパフォームする

個人的にはQYLDに投資するよりも、素直にQQQなどのナスダック100指数に連動するETFに投資した方が良いなと感じました。

経費率もQYLD(0.60%)、QQQ(0.20%)とQQQの方が抑えられます。

ただ、どうしてもインカムゲインが欲しいということであれば、下手な高配当個別株よりも安定したインカムゲインが見込めますから、QYLDへの投資もいいかもしれません。

 

いずれにせよ、高配当投資から身を引いた私からすれば、投資対象にはならない投資商品でした。

 

※投資は自己責任でお願いします。

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