S&P500より全米株式の方がパフォーマンスが良いらしい

どうもメーカー営業マン(@makereigyouman)です。

S&P500?全米株式?全世界株式?結局どれがいいの?って度々話題になりますが、結論としてはどうやら全米株式(VTI)のパフォーマンスが他と比較して優れるようです。

個人的には分散すればするほどパフォーマンスは低くなるのではないかと勝手に考えていましたが、どうやらそうでもなさそうです。

順を追って見ていきます。

S&P500(IVV)と全米株式(VTI)の比較

まずは簡単におさらいも含めて両者指数の比較をしていきます。

下表はS&P500指数に連動するETFのIVVと全米株式ETF、VTIを比較したものです。
尚、S&P500に連動するETFとして同じバンガード社のVOOがありますが、設定日が2010年と浅いためVTIと近いIVVを今回は選定しています。

S&P500(IVV) 全米株式(VTI)
設定日 2000年5月15日 2001年5月31日
総資産額 約327(十億USD) 約293(十億USD)
配当利回り 1.24% 1.18%
信託報酬 0.03% 0.03%
ベンチマーク S&P500種指数 CRSP米国総合指数
投資対象 大型株中心500社 大中小型株3,500社以上
算出方法 時価総額加重平均型 時価総額加重平均型
運営ファンド ブラックロック バンガード

※執筆時点(2021年11月21日)

総資産額や配当利回り、信託報酬に関しては大きく相違はありません。

IVVはS&P500指数に連動し米国の大型株を中心に500社集めたパックとなっている一方で、VTIは中小型株を含めて約3,500社全体に投資するETFとなっています。

S&P500は米国株式市場の約80%をカバーすると言われており、そう考えるとあまりパフォーマンスに差が生じないように見えると思います。

構成上位銘柄比較

続いて、構成上位銘柄の比較も見ていきます。

S&P500(IVV) 割合 全米株式(VTI) 割合
マイクロソフト 6.41% マイクロソフト 5.24%
アップル 6.20% アップル 4.95%
アマゾン 4.02% アマゾン 3.05%
アルファベット 2.25% アルファベット 1.88%
テスラ 2.22% テスラ 1.88%
アルファベット 2.12% アルファベット 1.69%
メタ(フェイスブック) 2.02% メタ(フェイスブック) 1.62%
エヌビディア 1.97% エヌビディア 1.28%
バークシャー・ハザウェイ 1.30% JPモルガン・チェース 1.07%
JPモルガン・チェース 1.22% バークシャー・ハザウェイ 1.04%

※執筆時点(2021年11月21日)

構成上位銘柄に違いはありませんが、500社に投資するIVVが1銘柄当りのウェイトが高くなっていることが分かると思います。

これを見ると、テスラやアップル等の高成長企業の株価上昇を享受できるS&P500の方がパフォーマンスは高そうに見えます。

セクター比率の比較

ついでにセクター別比率の比較も見てみます。

セクター S&P500(IVV) 全米株式(VTI)
情報技術 28.67% 23.10%
一般消費財・サービス 13.16% 13.40%
ヘルスケア 12.70% 13.00%
金融 10.91% 18.90%
通信 10.60% 1.90%
資本財・サービス 7.96% 13.00%
生活必需品 5.55% 8.00%
エネルギー 2.74% 3.30%
不動産 2.59% 2.80%
素材 2.53% 2.00%

グラフ

グラフにしてみると差が顕著に分かると思います。

S&P500(IVV)の方がハイテクの割合が高くなっています。昨今のハイテクの躍進で銘柄が少ないS&P500の方が銘柄当りの寄与度が大きくなることでセクターのウェイトが高まります。

また一方で全米株式(VTI)は金融や資本財セクターの割合が高く、通信が少ないですね。

パフォーマンス比較

さて本題に入ります。

S&P500(IVV)と全米株式(VTI)のパフォーマンス差はいかほどなのでしょうか。

いつも通りPortfolio Visualizerを用いてパフォーマンス比較を行っていきます。

 

設定条件は以下の通りです。

  • 2002年1月に$10,000を投資
  • 分配金は再投資
  • 2021年11月までの約20年間で結果はどのようになるのか?

 

結論から見ていきます。以下結果となりました。

指数 初期投資額 投資結果
S&P500(IVV) $10,000 $59,346
全米株式(VTI) $10,000 $64,724

見ての通り全米株式がS&P500を上回る結果となりました。

しかも誤差程度の差ではなく、比較的大きな差です。

年率にすると以下の通りでした。

  • S&P500(IVV):9.39%
  • 全米株式(VTI):9.87%

約20年で0.48%の差が生じた計算となりました。

数字で見ると大したことないように見えますが、先程のリターンを見てみると初期投資額100万円で最終リターンに約60万円の差が生じていました。

これを1,000万円に置き換えて見ると約600万円ですからね、かなり大きな差であることが分かると思います。

 

以前記事にしましたが、たったコンマ数%の差が複利では絶大な差を生むことが分かっています。コンマ数%でも馬鹿にはできません。

まとめ

S&P500と全米株式、どっち買ってもほとんど変わらないとよく言われていますが、これは間違いであることが分かりました。

よく比較されるのがVOO(S&P500)とVTIです。

ただしこれは切り取り期間の問題で、VOOは設定日2010年となっており、VTIとVOOの比較期間である直近10年ではVOOがVTIを上回る結果となっています。

つまり、2010年~2021年はS&P500の方がパフォーマンスが良かったということです。

それ以前の2001年~2021年の全期間20年にすると全米株式がS&P500のパフォーマンスを上回ります。

 

あくまでも過去成績のテスト結果であり未来はわかりませんが、期間を長くすると全米株式の方がパフォーマンスは良さそうです。

これは推測ですが、中小型株を含める全米株式の方が大型株のみのS&P500より成長を享受できるため、長期的にはパフォーマンスが上昇するのではないかと考えています。

従って、超長期で投資するのであれば、S&P500より全米に投資した方が高いパフォーマンスを享受できる可能性が高くなるかもしれません。

 

投資は自己責任でお願いします。

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