高配当BDCの巨塔、ARCC銘柄分析【米国株】
どうもメーカー営業マン(@makereigyouman)です。
今回はBDC銘柄の中で最も時価総額が大きな「エイリス・キャピタル(ARCC)」の概要・各種データを見ていきます。
他のBDCについてはこちらの記事でまとめていますのでご覧くださいませ。
目次
ARCC概要
社名 | Ares Capital Corporation |
所在地 | 280 Park Avenue 22nd Floor Building East New York, NY 10017 United States (アメリカ合衆国 ニューヨーク) |
事業内容 | エイリス・キャピタル (Ares Capital Corporation) は管理投資会社。米国にある中規模企業の債券および株式を中心に投資することで、収益および資本の増加を目指す。 |
代表者 | Michael J Arougheti |
設立年 | 2004年6月 |
上場市場 | NASDAQ(ティッカー:ARCC) 上場:2004年10月 |
セクター | 金融 |
エイリス・キャピタル(ARCC)はBDCのひとつです。
ニューヨークに本社を置いています。
BDCとは事業開発会社(Business Development Company)の略称で、主に中小企業や新興企業等へ投資する投資会社のことをいいます。
1980年頃に中小企業や新興企業への資金供給等を促す目的で誕生しました。
BDCは未上場の中小企業や新興企業等へ融資や投資を行い、得られる利子収入や配当収入、株式値上がり益などを主な収益源としています。
BDCは他銘柄と比較して配当利回りが高いことが特徴的です。
収益の90%以上以上を配当として吐き出すことで法人税が免除されています。
そのため、BDCは他上場銘柄と比較して配当利回りが高くなる傾向があります。
一般的に中小企業や新興企業のようなリスクの高い企業へ投資するため、リターンが大きくなります。
ハイリスク・ハイリターンな投資商品と言えます。
ARCCはBDCの中で時価総額最大
BDC | ティッカー | 時価総額(十億ドル) |
エイリス・キャピタル | ARCC | 6.24 |
オウル・ロック・キャピタル | ORCC | 4.80 |
グラッドストーン・インベストメント | GLAD | 2.30 |
メイン・ストリート・キャピタル | MAIN | 2.08 |
プロスペクト・キャピタル | PSEC | 1.96 |
FS KKR キャピタル | FSK | 1.76 |
※2020年6月23日時点
ARCCはBDCの中で最大の時価総額を誇ります。
時価総額はリーマンショック以降上昇傾向にあります。
コロナショック時にはさすがに下げましたが、コロナショック前2019年9月には時価総額81億ドルの最高値をつけています。
ARCCの格付け
銘柄名 | ティッカー | S&P格付け |
エイリス・キャピタル | ARCC | BBB- |
メイン・ストリート・キャピタル | MAIN | BBB |
プロスペクト・キャピタル(PSEC) | PSEC | BBB- |
ハーキュリーズ・キャピタル(HTGC) | HTGC | BBB- |
TPGスペシャリティ・レンディング(TSLX) | TSLX | BBB- |
アポロ・インベストメント(AINV) | AINV | none |
ソーラー・キャピタル(SLRC) | SLRC | BBB- |
※2020年6月23日時点
S&Pの格付けはMAINが最高のBBBを獲得していますが、ARCCはその次のBBB-となっています。
ちなみに、ムーディーズの格付けはBBBとなっています。
投資適格基準としてはギリギリ収まっており、やはりそこはハイリスクなBDC銘柄といった感じでしょうか。
ARCCのポートフォリオ
投資先企業
ARCCのポートフォリオは今にも倒産しそうな企業ばかりをイメージされるかと思いますが、意外とそうでもありません。
あのグーグルやアップルでさえBDCのお世話になっていたというのだから驚きです。
以下、主な投資先企業一覧です。
社名 | 割合(%) | 備考 |
Athenahealth Inc. | 2.5%以下 | 従業員6,000人を超えるヘルスケア企業 |
Singer Sewing Company | 1.6%以下 | ミシンを始めとする家電メーカー |
GHX Ultimate Parent Corporation | 1.8%以下 | ITコンサルティング&サービス |
The Ultimate Software Group | 1.5%以下 | ビジネス向けのクラウドベースの人的資本管理ソフトウェアシステムを販売するソフトウェア企業 |
アセットクラス
全体の47.8%が第一抵当権のシニアローンです。
次に多いのが28%の第二抵当権のシニアローン、そして5.8%のシニアダイレクトレンディングという構成になっています。
約80%がシニアローンとなっており、リスクは抑えられている印象です。
シニアローンとは従来からある通常の貸付です。
対極するメザニンローンと比較してローリスクなローンとなります。
日本において発行されている社債、金融機関から供給されている融資の多くがシニアファイナンスに該当します。
業種別
業種別でも広く分散させています。
ヘルスケア 18.9%
ソフトウェア 14.4%
商業サービス 9.3%
発電 6.9%
その他
ヘルスケアが全体の約5分の1を占めています。
S&P500を凌駕するパフォーマンス
出所:Ares Capital
仮にARCCを新規株式公開(IPO)時に購入し2019年10月まで保有していたとすると、500%を超えるパフォーマンスを出していました。
これはインデックス投資の最適解と言われるS&P500を170%も凌駕するパフォーマンスです。
直近配当履歴と利回り
発表日 | 配当($) | 利回り |
2020/5/5 | 0.40 | 12.89% |
2020/2/12 | 0.40 | 8.33% |
2019/10/30 | 0.42 | 9.08% |
2019/5/1 | 0.02 | 9.04% |
2019/5/1 | 0.02 | 9.04% |
2019//4/30 | 0.40 | 9.05% |
2019/2/12 | 0.40 | 9.64% |
出所:Market Beat
影響は軽微ですが、2020年は1株あたり0.02ドルの特別配当が無くなっていますね。
ARCCはリーマンショック時には、0.42ドル→0.35ドルへ減配しています。
ポジティブに考えれば、あのリーマンショック時でさえ約24%の減配で済んでいます。
金融危機に弱いBDC
BDCは投資対象が中小企業・新興企業のため金融危機には弱い傾向があります。
リーマンショックやコロナショックのような危機で影響を受けやすいのは資金力の弱い中小企業や新興企業です。
そのため、中小企業が経営困難に陥るリスクが高いと投資家から判断され売られるのです。
近年のコロナショックでも同様にBDC指数は大きく下げています。
出所:IFIS
ARCCはリーマンショック時に株価が60%下落し、10ドルを下回った安値をつけました。
その時の利回りはなんと52.3%!!
株価チャート
出所:Trading View
株価は長期的に見ると基本的に横ばいです。
コロナショックで大きく下落しましたが、その後の株価は回復基調となっています。
どの株も同じですが、今回のような暴落時に仕込んでおきたい銘柄です。
配当利回りでいうと、14-15%程度まで上昇したタイミングでしょうか。
まとめ
- ARCCは時価総額最大のBDC
- S&P500を上回るパフォーマンス
- ハイリスク・ハイリターンで安易に触るの危険か
個人的には市場平均を上回るパフォーマンスというのは非常に魅力的に感じます。
ただし、やはりハイリスク・ハイリターン。
ポートフォリオに組み込む場合は、全体の10%以下(できれば5%程度)に抑えておきたいところです。
※投資は自己責任でお願いします。
Enjoy!! your investment Life!!
↓こちらもワンクリックして頂けると泣いて喜びます。
ディスカッション
コメント一覧
こんにちは。米国株好きのサラリーマン投資家です。
貴重な情報を有難うございます、参考にさせて頂いています。
本日、マネックス証券でBDC銘柄を購入しようとしましたが、購入できませんでしたので、
電話で確認しましたところマネックスでは先週から取り扱いを停止したとの事でした。
既にご存知かもしれませんが、一応ご連絡します。
これからも、元気がでる、新しい情報楽しみにしています。
ヒロさん
コメントありがとうございます。
どうやら11月13日からマネックスではBDCの取り扱いを停止しているようですね。
https://info.monex.co.jp/news/2020/20201113_02.html
念の為、記事にも注記しておきます。
こちらこそ情報ありがとうございました。