高配当BDCの巨塔、ARCC銘柄分析【米国株】

2020年6月27日

どうもメーカー営業マン(@makereigyouman)です。

今回はBDC銘柄の中で最も時価総額が大きな「エイリス・キャピタル(ARCC)」の概要・各種データを見ていきます。

他のBDCについてはこちらの記事でまとめていますのでご覧くださいませ。

ARCC概要

社名 Ares Capital Corporation
所在地 280 Park Avenue 22nd Floor Building East New York, NY 10017 United States (アメリカ合衆国 ニューヨーク)
事業内容 エイリス・キャピタル (Ares Capital Corporation) は管理投資会社。米国にある中規模企業の債券および株式を中心に投資することで、収益および資本の増加を目指す。
代表者 Michael J Arougheti
設立年 2004年6月
上場市場 NASDAQ(ティッカー:ARCC)  上場:2004年10月
セクター 金融

出所:エイリス・キャピタル公式HP

エイリス・キャピタル(ARCC)はBDCのひとつです。

ニューヨークに本社を置いています。

BDCとは?

BDCとは事業開発会社(Business Development Company)の略称で、主に中小企業や新興企業等へ投資する投資会社のことをいいます。

1980年頃に中小企業や新興企業への資金供給等を促す目的で誕生しました。

BDCは未上場の中小企業や新興企業等へ融資や投資を行い、得られる利子収入や配当収入、株式値上がり益などを主な収益源としています。

BDCの特徴

BDCは他銘柄と比較して配当利回りが高いことが特徴的です。

収益の90%以上以上を配当として吐き出すことで法人税が免除されています。
そのため、BDCは他上場銘柄と比較して配当利回りが高くなる傾向があります。

一般的に中小企業や新興企業のようなリスクの高い企業へ投資するため、リターンが大きくなります。

ハイリスク・ハイリターンな投資商品と言えます。

ARCCはBDCの中で時価総額最大

BDC ティッカー 時価総額(十億ドル)
エイリス・キャピタル ARCC 6.24
オウル・ロック・キャピタル ORCC 4.80
グラッドストーン・インベストメント GLAD 2.30
メイン・ストリート・キャピタル MAIN 2.08
プロスペクト・キャピタル PSEC 1.96
FS KKR キャピタル FSK 1.76

※2020年6月23日時点

ARCCはBDCの中で最大の時価総額を誇ります。

時価総額はリーマンショック以降上昇傾向にあります。

コロナショック時にはさすがに下げましたが、コロナショック前2019年9月には時価総額81億ドルの最高値をつけています。

ARCCの格付け

銘柄名 ティッカー S&P格付け
エイリス・キャピタル ARCC BBB-
メイン・ストリート・キャピタル MAIN BBB
プロスペクト・キャピタル(PSEC) PSEC BBB-
ハーキュリーズ・キャピタル(HTGC) HTGC BBB-
TPGスペシャリティ・レンディング(TSLX) TSLX BBB-
アポロ・インベストメント(AINV) AINV none
ソーラー・キャピタル(SLRC) SLRC BBB-

※2020年6月23日時点

S&Pの格付けはMAINが最高のBBBを獲得していますが、ARCCはその次のBBB-となっています。

ちなみに、ムーディーズの格付けはBBBとなっています。

投資適格基準としてはギリギリ収まっており、やはりそこはハイリスクなBDC銘柄といった感じでしょうか。

ARCCのポートフォリオ

投資先企業

ARCCのポートフォリオは今にも倒産しそうな企業ばかりをイメージされるかと思いますが、意外とそうでもありません。

あのグーグルやアップルでさえBDCのお世話になっていたというのだから驚きです。

以下、主な投資先企業一覧です。

社名 割合(%) 備考
Athenahealth Inc. 2.5%以下 従業員6,000人を超えるヘルスケア企業
Singer Sewing Company 1.6%以下 ミシンを始めとする家電メーカー
GHX Ultimate Parent Corporation 1.8%以下 ITコンサルティング&サービス
The Ultimate Software Group 1.5%以下 ビジネス向けのクラウドベースの人的資本管理ソフトウェアシステムを販売するソフトウェア企業

アセットクラス

全体の47.8%が第一抵当権のシニアローンです。

次に多いのが28%の第二抵当権のシニアローン、そして5.8%のシニアダイレクトレンディングという構成になっています。

約80%がシニアローンとなっており、リスクは抑えられている印象です。

シニアローンとは?

シニアローンとは従来からある通常の貸付です。

対極するメザニンローンと比較してローリスクなローンとなります。

日本において発行されている社債、金融機関から供給されている融資の多くがシニアファイナンスに該当します。

業種別

業種別でも広く分散させています。

ヘルスケア 18.9%
ソフトウェア 14.4%
商業サービス 9.3%
発電 6.9%
その他

ヘルスケアが全体の約5分の1を占めています。

S&P500を凌駕するパフォーマンス

出所:Ares Capital

仮にARCCを新規株式公開(IPO)時に購入し2019年10月まで保有していたとすると、500%を超えるパフォーマンスを出していました。

これはインデックス投資の最適解と言われるS&P500を170%も凌駕するパフォーマンスです。

直近配当履歴と利回り

発表日 配当($) 利回り
2020/5/5 0.40 12.89%
2020/2/12 0.40 8.33%
2019/10/30 0.42 9.08%
2019/5/1 0.02 9.04%
2019/5/1 0.02 9.04%
2019//4/30 0.40 9.05%
2019/2/12 0.40 9.64%

出所:Market Beat

影響は軽微ですが、2020年は1株あたり0.02ドルの特別配当が無くなっていますね。

ARCCはリーマンショック時には、0.42ドル→0.35ドルへ減配しています。

ポジティブに考えれば、あのリーマンショック時でさえ約24%の減配で済んでいます。

金融危機に弱いBDC

BDCは投資対象が中小企業・新興企業のため金融危機には弱い傾向があります。

リーマンショックやコロナショックのような危機で影響を受けやすいのは資金力の弱い中小企業や新興企業です。
そのため、中小企業が経営困難に陥るリスクが高いと投資家から判断され売られるのです。

近年のコロナショックでも同様にBDC指数は大きく下げています。

出所:IFIS

ARCCはリーマンショック時に株価が60%下落し、10ドルを下回った安値をつけました。

その時の利回りはなんと52.3%!!

株価チャート

出所:Trading View

株価は長期的に見ると基本的に横ばいです。

コロナショックで大きく下落しましたが、その後の株価は回復基調となっています。

どの株も同じですが、今回のような暴落時に仕込んでおきたい銘柄です。

配当利回りでいうと、14-15%程度まで上昇したタイミングでしょうか。

まとめ

  • ARCCは時価総額最大のBDC
  • S&P500を上回るパフォーマンス
  • ハイリスク・ハイリターンで安易に触るの危険か

個人的には市場平均を上回るパフォーマンスというのは非常に魅力的に感じます。

ただし、やはりハイリスク・ハイリターン。
ポートフォリオに組み込む場合は、全体の10%以下(できれば5%程度)に抑えておきたいところです。

※投資は自己責任でお願いします。

 

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